ひとに本棚を見られるのは

恥ずかしい

偏りがあるだろう

欠落があるだろう

自分の脳みその中身を

覗かれているようで

あんまりじろじろ

見てほしくない



あなたの本棚はどんなだろうか

深く刻まれた

脳みその無数の皺のように

あなた自身が林立して

入り組んだ迷路の奥深く誘い

隣り合う本棚たちは時に共鳴し

時に不協和音を奏でながら

ストーリーを語り始める



そこに迷い込んだ羊は

広大な知の森の中で

どこへ向かうべきか

途方に暮れてしまうかもしれない

痩せこけたロシナンテは

ドン・キホーテを鞍に乗せて

知の巨人に向かって

走り出すだろう



心に羅針盤を持つ賢人は

無造作に並べられた

一冊一冊の本の紡ぎだす

メッセージが

螺旋状に絡み合い

連環の絆となって

自身と一体となる興奮に

酔いしれることだろう



そしてあなたのことを

今までよりもほんの少しだけ

わかったような気がするだろう

一つ一つ欠落を埋めるように

背表紙を眺めながら

こんな自分だけの空間を

編集してみたいと

心の中で呟くのだ





※「松丸本舗」を訪問して





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