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ものを欲しがらないきみが

買ってほしいと言ったから

白い椅子をふたつ並べて

腰かける



ふかふかのクッションに

おしりは沈み込み

大きな背もたれに抱かれて

立ち上がる気がしない



きみに包まれながら

ゆっくり話をする時間こそが

かけがえのないひと時だと

やがて気づくのだ



きみとぼくと白い椅子

嘘のない弛緩した時間の中で

やすらぐことができるから

戦いに行くことができる



きみとぼくと白い椅子

いつかきっと汚してしまう

なにかこぼして黄ばんでしまう

それはとてもしあわせな時間





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