きみの町にやって来て

きみがいつも見ている空を見て

きみと同じ空気を吸って

きみの息吹を感じている



きみがいつも通る道を歩いて

きみのお気に入りの店に入り

きみの大好きな珈琲を注文して

きみの余韻にひたる



もしかしたらいま

きみとすれ違ったかもしれない

振り返って後ろ姿を目で追っても

きみはそこにはいないけれど



目を閉じればきみがそこにいる

クリムトよりもあでやかに

ルノワールよりも愛らしく

ローランサンよりあどけない



会いたいと思っているひとには

会えるものなのだろうか

突然そこにあらわれたきみは

力強く自分の足で立っている



自分の言葉で話している

妄想でも幻想でもなく

リアルに生きている

きみの存在感に圧倒されている





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