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目覚めの悪い朝だ

 

おまえは夢の中に突然現れて

 

からくり箱を差し出して

 

簡単だろとしたり顔で話す

 

 

 

両肩に鉛がはってあるかのように

 

ずっしりと重たい

 

ああ、身に覚えがあるこの感覚

 

もがいていた頃の記憶が蘇る

 

 

 

誰もがやりたがらないことを

 

外堀を埋めるように

 

それとなく押し付けられて

 

八方塞がりになる

 

 

 

どうせやるなら気持ちよく俺がやると

 

なんで買って出なかったのだろうと

 

情けない気持ちになって

 

さらに深く落ち込んでしまう

 

 

 

もし俺がやらなければ

 

きみがやることになるのだろう

 

いつもそうやって俺は

 

誰かに押し付けていたのかもしれない

 

 

 

やたらと胸を張って

 

手を振らずに肩をゆすって歩く男が

 

足早に俺を抜き去って

 

あっという間に置き去りにされる

 

 

 

生気のない斜向かいに住む男が

 

今日もよれよれのスーツに

 

ずれ落ちそうなショルダーバックを

 

肩からさげてとぼとぼと歩いている

 

 

 

ふと、道端にある小石を

 

左足で何気なく蹴とばしてみる

 

勢いよく宙に浮いて

 

案外ころころと転がるものだ

 

 

 

きみが嬉しそうに笑っている

 

ありがとうございましたって

 

昨日のことが嘘のように

 

にこにこ笑っている

 





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